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新熊野神社

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新熊野神社

後白河法皇の命により平清盛が創建した新熊野神社。
後白河法皇が自ら熊野神社からの楠を植えて今では空を覆うほどの大木になっています。樹齢900年だそう。

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これを見るだけでも価値がありますが、神社の場所が普通に道路の脇にあって見落としてしまいそう。
その日のその時間はたまたま小正月の儀式、神仏一体の山伏の火祭りにあたり、儀式を最初から見入っておりました。

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神主さんの丁寧な説明。祝詞も般若心経もありというのは、
宗教的自体がまだ神仏一体の時代の名残り。
それに加えて陰陽師の儀式も引き継いているという、バラエティに富んだ内容でした。

火打ち石から起こす昔ながらの火祭り、
お餅もお神酒も頂いた上に、山伏さんに背中で印を切って頂きました。

年明け早々、縁起のよい時間を過ごしました。

宇治 平等院

宇治 平等院

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あいにくの小雨。
以前訪れた時は平等院が改装中で建物の中が見れなかったので
鳳凰堂の中へ。
仏師定朝の作品はこの阿弥陀像だけだそうで、池を隔てた向こう岸からは仏像のお顔だけがぽっかり覗けるように扉に穴が空いています。
平等院は極楽浄土を表しているのだそうですが、
池と建物のバランス、掛かる橋など日本人の箱庭感がどこかあることで
サイズの割には広がりがあって大きい感じを受ける。

建物と池とのバランス感は
ダビンチやミケランジェロ的な数学的な気持ち良さ。
鳳凰堂の落ち着いた独特の朱の顔料は当時の色を再現されたそう。
オリジナルに近いものにして行く努力によって、

今だからこその最新の美に巡り会えるのも京都の楽しみです。

霊山歴史館

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 東山の山の中腹にあります。

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隣に坂本龍馬などの有名人の墓もある。

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幕末期に興味を惹かれるのは、
江戸末期、近代であってさほど昔の事じゃない。
もう幕末には外国人も多く横浜にいて今っぽい部分もあるし、

資料も多く残っている。

幕末を思うに、第二次世界大戦の終戦に似てるようにも思うのです。

江戸城無血開城と終戦のための天皇ご英断と

マッカーサーが厚木飛行場に混乱なく入ってきたこと。
全く時代は変わっても、混乱の中にあって冷静な行動が出来る国民ではないかと感じます。

西郷隆盛は誰もが知っていますが、誰も本当の顔を知らない。

写真が残っていませんが、
ここには掛け軸に描かれたものがいくつもあります。
坂本龍馬を殺した実行犯を霊山歴史館でははっきりと名指しで紹介。
龍馬の奥さん、お龍さんがお風呂から裸のまま
二階にいた龍馬に危険を知らせたと言われる寺田屋事件のお龍さんの晩年の写真もあります。

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京都以外ではうわさのように言われることが、

京都では言い伝えで当たり前のようにある事も多いです。
そのような肌触りの違いも面白いものです。

 

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晴明神社

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映画でも有名な晴明神社に寄ってみました。

この晴明神社はまだ新しい場所ですが、元々安倍晴明に所以がある場所だからか、いるだけで意味もなく心地よい。

不思議な妖術伝説のある安倍晴明ですが、
実は彼は暦を作るための学術的な天文学の仕事に就いていたのです。
数々のミラクルはその計算による正確な予測から導かれたものだったのかも知れませんが、
平安時代の人々が陰陽師として力を目の当たりにし、

驚いたのは事実だったのでしょう。

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僕が神社にゆく時は考えるより感じる事が多い。
静けさ、湿度、木の香り、装飾や建築の美しさ、太鼓や笛の音、

そしてそれらが醸し出す癒し。

本殿脇の巨木に触れたり、短い間でしたが、

伝説の摩訶不思議感をもたらすような雷雨の演出を楽しみました。

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甘春堂

 

慶応元年(1865年)から続く老舗ですが、

そもそもはもっと古く、京都の大仏通りの店だったという。

今の店は京都駅からも近い三十三間堂前にあって、

近くに京都国立博物館もある関係でこの店によく寄ります。

 

甘春堂の喫茶は、雰囲気がとてもいい。

古い町屋風の暗い店内には中庭がある。

http://www.7jyo-kansyundo.co.jp/cafe/

 

京都の大仏って?奈良の大仏の間違いじゃなくて?

と思われる方も多いでしょう。

そうなんです。今も位置を変えて存在する方広寺に

奈良の大仏よりも大きな京都の大仏があったのです。

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↑ 豊国神社、方広寺の大仏殿(洛中洛外図より)

あの秀吉の命で建立、秀吉が亡くなってから完成。

 

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この文字が家康の文字を引き裂いたという言いがかり?

で大阪の陣の引き金になったと有名な鐘、

実は家康側からこの文字列で事前に許可があった説も・・)

 

京都に限らずですが、

有名な神社仏閣の参道には美味しい老舗がある。

そして、ただの饅頭でも嘘みたいに美味しい場合が多い。

昔はそのような場所は、ご利益のあるテーマパークみたいなところでした。

京都の寺院一つ建てるのにも何年、何十年と大変な労力とお金と職人の技が使われている

今でも維持費を使い、お金のかかり方は今のテーマパークなど足元にも及びません。

 

甘春堂は今の通りから一筋裏側の大仏通りで(参道跡が今も残る)

大仏餅を供してしたといい、最近それが復刻されています。

http://www.kanshundo.co.jp/okashi/kanban/daibutu/index.htm

 

かき氷は繊細な氷に桃の果汁ソースがすでにたっぷりかかった上に

エクストラ桃ソース+桃のジュレをオンです。

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他にも、京都タワー的な?抹茶のパフェ、

京都のいい抹茶は

まず色が鮮やかで味の深みや香りが違って、

インスタントと淹れ立てのコーヒーくらいの違いがあります。

後ろに写る掛け軸も秀吉。

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京都の味もピンキリですが、

一流の食材が日本、世界から集まった歴史のある地、

京都人のプライドが

今も美味しいものを作り出している気がします。

木嶋神社

   木嶋神社

世にも珍しい三角に重なり合った鳥居。

一部マニアでパワースポットと静かなる話題の場所。

僕が訪れた時もパワースポットマニアとおぼしき女性が少しいたようです。

鳥居の三角の真ん中の部分から泉がわき出て、

その部分がとても神聖な場所であると言われているらしい。

 

伝説のある神社は大抵、その伝説に相応しい

神秘的な雰囲気をたたえています。

まず風が違います、そこだけひんやりする。

温度だけの感覚ではなく

木々の湿度や静けさに包まれているだけで、

異空間に居るという気持ちにさせてくれます。

 

 

 

厳重な格子の向こうに見える、

三角形の鳥居の真ん中は見えるようで、見えない。

この暗さも神秘の重要な要素、

見えちゃいけない、見ちゃいけないよう守るのも、人間の豊かさです。

木嶋神社 三角鳥居

 

教科書で習ったように、大陸から渡ってきた秦氏が

養蚕業を日本にもたらし、京都ではインフラを大胆に行った。

関東にも秦野という秦氏由来の場所がありますが、

秦氏が始めた養蚕の中心地であったこの地が

秦氏に直接由来する神社ということです。

 

鳥居を眺めていたら、

どこからともなく知らないおじいさんが隣にいた。

そして秦氏の話を始める、なんでも秦氏の子孫は普通に京都に暮らしていて

それぞれ代表的な苗字があるのでわかるという話でした。

地元ならではのディープな話題をツラツラと話して下さった。

 

教科書で秦氏は(大陸由来の)などと習った気がします、

その大陸由来の意味が解らなかった。

由来、という曖昧さ。

普通に海外から移り住んだ人たち。

それもインフラや鉄の扱いを日本に伝えると共に、

お互いの国に富みをもたらすWin Winのミッションを持って

入って来た方々ではないか?

 

それは全く持って今の世界も同じで、

日本がアフリカなどでインフラを手掛けようと競争していますが。

発展途上国のインフラはとてもお金になる。

日本の発電は周波数が富士川を境に東と西で別れますが、

インフラの際にアメリカ系とヨーロッパ系で利権が割れたからだと

聞いたことがあります。

 

秦氏は9世紀を中心に日本に渡ってきた、

そして最新の技術を日本にもたらした。

秦の始皇帝の関係者だったという噂もありますが、

中国はとても広い国で西の果てはイスラム圏。

そこまで行けば白人系の方もいらっしゃる他民族的な面もあり、

噂では秦の始皇帝の目が青かったとも言われる。

 

摩訶不思議な鳥居の謎はキリスト教かユダヤ教かなどとありますが、

秦氏がキリスト、あるいはユダヤであった

ということもあながちあり得ないとも限らない。

 

奈良時代の奈良の大仏お披露目の折に、

近隣の国だけでなく遠くインドからもはるばる日本まで、

ゲストが来たといいますね。だから海外に合わせて土足式の建物であったと。

仏教伝来以前から、アジアの平和の為の政略結婚や技術交流が、

想像以上にインターナショナルに行われてきたことを考えるなら、

秦氏という不思議な伝説もさらにカラフルなエピソードとして聞こえてきます。

 

鎌倉の江ノ電みたいに家すれすれに走る、京都の嵐電に乗って、

嵐山に向かう途中に

寄って神秘の中心を覗いてみて下さい。

 

木嶋神社から見えた月

 

http://bqspot.com/kansai/kyoto/76

仁和寺

 

京都観光は金閣銀閣、祇園、清水寺の

ようなところは芋洗い状態ですが、

市内の中心から離れれば

人がまばらであることもあります。

 

この仁和寺も世界遺産ですが、

僕が訪れた時はさほど人は多くなかった。

この寺は皇族との深い関わりがあり、

第二の御所的な意味合いもあって

宮廷風の作りになっているのが大きな特徴、

ロケーション、建築が豪華、とにかく雅。

北山の借景に宇宙的な広がりを感じます。

 

仁王門・・奥に広がる北山の景色がすばらしい

仁和寺仁王門

 

欄干・・ディズニーランドでは

気付かないようところにミッキーの仕掛けが

隠れているなどとありますが、

京都の神社仏閣にもそういう発見がありまして、

菊の御紋がさりげなく装飾してあるのを探すのも面白い。

 

仁和寺欄干

 

庭・・庭は水を砂で模したはずの枯山水と、

実際の池が同居している贅沢な庭。

小さな滝と五重塔が望めます。

 

仁和寺庭

 

金堂・・金堂の存在感と建築の素晴らしさは見逃せません。

 

仁和寺 金堂

 

仁和桜として桜の名所として有名ですので、

いつか春にまた来れたらと思います。

仁和寺 崎谷写真

京都鉄道博物館

京都鉄道博物館

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京都駅の近く、梅小路にある鉄道博物館。

新幹線からいつも見えていましたが、僕は鉄道ファンではないので何となく普通に

面白そうだと思っていたのです。

鉄道博物館から線路を挟んで向かい側にある東寺に行った際に、遠くから蒸気機関車の汽笛が聞こえて

どうしても行きたくなりました。

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行ってみて驚いた、日本でも一番数があるという蒸気機関車の実物の迫力、しかも現役で動くのです!

形状や大きさの違う機関車が所せましと並んでる数と大きさに圧倒された。

鉄道ファンでない僕でもマニア心をくすぐらたのは、

圧倒的な見上げるような黒光りした鉄の質量と、むきだしな複雑メカニズム。

SLを遠目に走るのを見たことはあったけれど、間近にみると全く印象が違う。

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そして圧巻は日本で最大というターンテーブル、扇状車庫。

止まっているだけではなく、動く姿も近くでみられる、

それもターンテーブルという特殊な仕組みにゆっくり進んで止まり、

ターンテーブルを回して360度回しながら見られるということが

なにより素晴らしい。

 

僕の趣味の模型の一番の楽しみは模型自体が3Dであるということ。

見る角度で全然見え方が変わる面白さです。

それをここでは実物大、本物で体験できるという

スケール感は半端ない。

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C62という最大の機関車の定期運行があってこれにも乗りました

遊園地の乗り物みたいな感覚で思っていたのですが、本物は違いますね。

乗る前に姿をゆっくり見て、動力の音を聴いて、調整する姿を見て

汽笛を聴いてからの乗車、

走るのもゆっくりだから蒸気動力の体感度が高い。

 

実際に乗ってみて思ったのは

蒸気をそのまま動力に変える巨大なマシーンのダイナミズム、

プシュー、ガタン、シューシューという音、

電車とは全く違ってまるで生き物のよう。いや、生き物そのもの。

汽笛は激しくも、何故か懐かしい心の中の宇宙へ誘うような声。

引く力の加減で様々な表情があって、

ポーという音から叫び声のような音まであり感動です。

 

鉄道博物館のロケーションも絶妙で、通常のJRと新幹線がすぐ前に走っていて、

それに機関車の姿が重なる景色もGOOD!

こりゃ鉄ちゃんになりそう(笑)

 

人が多くてジオラマには入れなかったので

次回はぜひ。

京都府立植物園 

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下賀茂を上がった鴨川沿いにあって、世界一の種類を誇る美しい花々だけでなく、

自然林を再現したような場所や、小さな神社もあったり、

リラックスできる空間。ここからの比叡山もまた格別です。

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僕はここがとても気に入りました。

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醍醐寺

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京都から地下鉄の最終、六地蔵から
バスで醍醐寺へ。

豊臣秀吉が最晩年なくなる少し前に
豪勢な花見をした(醍醐の花見)、今でも有数の桜の名所。

僕が訪れたのは、
残念ながら桜の季節ではありませんでしたが、
人がまばらでのびのび歩くことができました。

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五重の塔

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ここの五重塔は屋根の部分がとても横長で
ズシンと垂れているようにさえ見える
屋根を支える木組みが幾何学的で見応えあり。

醍醐寺三宝院庭園

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なんと豊臣秀吉自身の作庭。

枯山水は本来、水がないから仕方なく砂で作られるもの、
水や、海を想像するものなのに、
ここには枯山水も、池も滝も同時に存在するのです。
何でももってこいの面白さですが、
無粋な感じは意外にも全くない。

ひょっとして秀吉自身のアートの感性は
千利休によって磨かれたというよりも
秀吉自身のアート感覚もまた、
独特でしっかりしたものだったかも知れません。
まばゆいようなアミューズ感たっぷりの日本庭園です。

(撮影禁止のため庭の写真はありません)

醍醐寺霊宝館

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何千とある醍醐寺の国宝コレクションの一部を
展示してあります。

だだっ広い空間が中央に広がり、
醍醐寺の山から担ぎ降ろした仏像が並んでいます、
生き生きと体温さえ感じるくらいリアルで、
上から、しかと睨みつけてきます。

他には俵屋宗達の筆による雅な作品もあったり、
醍醐の花見に参加したメンバーのリストや
詠まれた歌も残っていて、
秀吉のペンネーム(松)による歌も展示されています。

ヨーロッパのルネッサンスから100年後の桃山時代、
江戸時代の入り口まで生きた、
秀吉の息吹を、感じさせてくれる寺です。

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