月別アーカイブ: 2015年5月

京都国立博物館

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2014年にリニューアルオープンとなりましたが、
2015年にようやく念願の入場となりました。

今博物館が建つ、
三十三間堂の向かいにあるこの場所は
かつて大仏通りと呼ばれ、奈良の大仏よりさらに大きい
大仏が秀吉によって建立された場所で
仏像の参道だった場所。

僕が訪れた時は「狩野派、永徳の後継者たち」を
展示していました。

狩野派は言うまでもなく、幕府お抱えの絵師の家系。
当然京都にもゆかりが深いわけですが、
制作から300年~400年経っているのに絵の保存状態がよい。
修復もされていることとは思いますが、それにしても、さすが。

この展覧会で気に入ったのは、
ダイナミックな永徳と全く逆で、繊細な筆さばきと言われた
永徳の長男、光信の「花鳥図屏風」

この頃の絵師は描くものにカテゴリーごとのパターンがあって、
そのパターンを踏襲するがゆえ、誰が描いても構図などだいたい似たものにはなるのですが、
それでも光信の描いたものは、
天国があったならこういう場所ではないかと思わせるようなリアル仮想楽園、
幸福感に包まれた。

他には狩野派の中でも秀でた才能と言われた探幽の
「松に雀図壁貼り付け、襖」も圧巻でした。

金箔や塗料の保存状態が特によく、ピカピカとゴージャス、サイズも大きい。
松の構図の迫りくるような迫力と、マクロな細かい描写のクジャク、そして目にも鮮やかな緑。
この絵を見るだけでも価値があったと思う。

他にも洛中洛外図屏風の京都のお祭りの絵に、外国人や、かなりおかしな仮装の人を見つけたり、
時間があればもっとじっくり見たかった。

そして2014年に新たにオープンとなった
平成知新館へ・・。

平成知新館では、仏像などの展示が行われていたのですが、
まるでニューヨーク近代美術館のアジアセクションの展示のように
明と暗、メリハリのついたライティングが施され、
肉感的な3Dの迫力に思わず息をのむ。

パリのオルセーに行くと有名な画家の作品でもトップクラスのものが
ゴロゴロありますが、それに似た日本画の極みがここにありました。

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周辺には秀吉の時代からある甘味屋さんもあり、
七条を東山方面に上に登ったところには「手作りの洋食屋さんきっちん里」があり、
ハンバーグ入りグラタンが美味しい。

京都に訪れて雨が降ったりしたときには
このような博物館で過ごすのもいいかもしれませんよ(^^)

今宮神社

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本法寺に長谷川等伯の涅槃図と
本阿弥光悦の庭を見た帰り、
ほど近い今宮神社に足を延ばしました。

着いた時は夕方に近い時刻、
有名な神社仏閣には参道に必ず美味しいものあり
ということで、まずは京都でエース級に有名な「あぶり餅」を食べました。

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このビジュアルを見て、どんな味か想像できますか?

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アツアツの本物を食べ、
口の中に広がったのは初体験の味覚、食感でした。

誤解を恐れずに言うと
炭火で焼いた高級なみそ漬けの豚ホルモンのようなもちもち感と味。

親指大の餅は中が空洞になったようなもので
炭火の微妙な焦げ加減から
適度な苦みと濃厚な甘辛白みそ味があいまって至福。

いくらでも食べられそうなシンプルかつ
ミラクルな有機物のミクスチャーが何世紀も人を幸せにしてきた。
そして今もなお、現代人の味覚を唸らせる深み。

「あぶり餅」だてに平安時代からやっていない、
京都おそるべし。

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今宮神社の境内に入ると
これまたスイートな出来事が・・。

鳥が鳴いていたのですが、、
それがまるで和歌とかを詠んでいるような節だったのです。
なんてきれいな声、まるで歌声のよう。
作曲家メシアンの「鳥の鳴き声が人の音楽」になったという
言葉を思い出しました。

 

しかもその鳥が節を途中で変えると、
それに答えるかのように一匹の鳥がどこかから
新たな節を、ちゃんと間をおきつつ
返歌するというスイートなひと時。

聴いたこともない美しい鳴き声の二重奏、
サラウンドにしばらく聴き惚れていました。

そして、もしこんなHeavenlyな自然の奇跡が
京都から失われるようなことがあれば
おのずと、世界の自然の奇跡もまた
失われているはずだろうなと、なんとなく思ったりしました。

VIDEOはその鳥の鳴き始めを録画したもの。
どなたかご存知の方があれば、
鳥の名前を教えていただければと思います。