京都らしい石畳の小路を入った奥にある見つけにくい店。
BOSEスピーカーから流れるピアノジャズ、アンティークな家具が出迎えてくれる、
洒落た店構えやスノッブな対応に自信がある店独特の緊張感があります。
江戸前の蕎麦は喉越しなどと言って出汁を少し漬けてすすると言いますが、ここの蕎麦は全然違う、喉ごしやコシでなく濃厚な味わいの蕎麦とでも言いましょうか?
蒸した蕎麦セイロの底に熱湯が敷いてあり麺は熱々、
蕎麦汁もまたヤケドするほど熱く熱せられており、持つためにタオルが巻いてある。
器には九条ネギがこれでもかと山盛り刻んであり(京都の麺類にある傾向)その中に生卵が
落としてある。そこに熱々の汁が注がれて生卵に少し火が通るよう。
すすってみると・・
ふっくらと蒸されたポソッと柔らかな蕎麦を出汁に浸すと、甘くツンと立った醤油とタップリ葱、生玉子が一体となってマッタリ舌をまとう。
あまり味わった事のない、切れ味のいいシャープな醤油の風味がガツンときた。
美味しくても一度食べたらもういい、という美味しさもありますが、この蕎麦の甘美な味は忘れられそうにない。