本法寺に長谷川等伯の涅槃図と
本阿弥光悦の庭を見た帰り、
ほど近い今宮神社に足を延ばしました。
着いた時は夕方に近い時刻、
有名な神社仏閣には参道に必ず美味しいものあり
ということで、まずは京都でエース級に有名な「あぶり餅」を食べました。
このビジュアルを見て、どんな味か想像できますか?
アツアツの本物を食べ、
口の中に広がったのは初体験の味覚、食感でした。
誤解を恐れずに言うと
炭火で焼いた高級なみそ漬けの豚ホルモンのようなもちもち感と味。
親指大の餅は中が空洞になったようなもので
炭火の微妙な焦げ加減から
適度な苦みと濃厚な甘辛白みそ味があいまって至福。
いくらでも食べられそうなシンプルかつ
ミラクルな有機物のミクスチャーが何世紀も人を幸せにしてきた。
そして今もなお、現代人の味覚を唸らせる深み。
「あぶり餅」だてに平安時代からやっていない、
京都おそるべし。
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今宮神社の境内に入ると
これまたスイートな出来事が・・。
鳥が鳴いていたのですが、、
それがまるで和歌とかを詠んでいるような節だったのです。
なんてきれいな声、まるで歌声のよう。
作曲家メシアンの「鳥の鳴き声が人の音楽」になったという
言葉を思い出しました。
しかもその鳥が節を途中で変えると、
それに答えるかのように一匹の鳥がどこかから
新たな節を、ちゃんと間をおきつつ
返歌するというスイートなひと時。
聴いたこともない美しい鳴き声の二重奏、
サラウンドにしばらく聴き惚れていました。
そして、もしこんなHeavenlyな自然の奇跡が
京都から失われるようなことがあれば
おのずと、世界の自然の奇跡もまた
失われているはずだろうなと、なんとなく思ったりしました。
VIDEOはその鳥の鳴き始めを録画したもの。
どなたかご存知の方があれば、
鳥の名前を教えていただければと思います。